真言宗僧侶の体験
Y.Tさん
私は小さい時から仏教には興味があり、僧侶になりたいと思っておりました。大学は数学科に入学しましたが、仏教書ばかり読みあさっておりました。
27歳の時、チベット人僧侶の弟子となり、チベット密教の修行を始め、それを縁として35歳の時、高野山で出家得度しました。
◇真言の修行三昧で精神に不調を来たす
その後、高野山内の修行道場で130日間修行し、真言宗の僧侶となりました。その年から高野山大学で働くと同時に、大学構内にある修行道場で、若い僧侶達の指導もしました。
真言宗の僧侶となってからは、毎日真剣に、チベット密教の行と真言密教の行に打ち込みましたが、40歳の時、突然の精神的不調を来たし、仕事がほとんどできなくなりました。精神科では、鬱(うつ)病・パニック障害と診断されました。
このころ、高野山内の僧侶達が修行を全くしない、求道心のない姿を見て、私は高野山に強い疑問を感じていました。そこで高野山を下り、東京のIT企業で働きました。
精神を元に戻そうと、必死にチベット密教の行をしましたが、精神状態が極限となり、コミュニケーションが全く取れなくなって、会社を辞めざるをえなくなりました。
◇絶望の淵での邂逅(かいこう)
それから生活保護を受けての長い引きこもり生活が始まりました。47歳の時でした。
生きる屍(しかばね)となった私は「人生はもう終わったのだ」とつくづく感じました。今にして思うと、謗法(ほうぼう)の害毒(がいどく)がはっきりと現われたのです。
しかし平成24年8月、52歳の時、書物をきっかけに日蓮大聖人様と法華経の偉大さを思い知らされ、大石寺版の御書を購入し、貪(むさぼ)るように拝読しました。理解など全くできませんでしたが、一言一句が魂(たましい)に突き刺さるのです。他宗派の祖師達の著作をけっこう読んできたのですが、このような体験は初めてでした。
◇御主管の姿に心打たれ入信
大聖人様の仏法をきちんと学んでみたい、という熱い思いがこみ上げてきました。インターネットで法道院を知り、平成24年8月12日、法道院を訪ねました。そして御主管・八木日照御尊能化にお会いしたのです。
「なんと優しく上品な方なんだろう」
と思うと同時に、心が決まりました。
私の真言宗時代の師匠は、一昨年まで高野山真言宗の管長だった人でした。その師匠や高野山内の住職達をたくさん見てきましたが、御主管のようなすばらしい方は初めてでした。
御主管と色々お話しさせていただき、最後に御主管は「思い切って信心しましょう」とおっしゃると、私は「はい、命を懸けて信心します」と即答しました。そしてその日、御授戒を受けることができました。
それから毎日のように法道院へ参詣させていただき、一ヶ月後の9月15日に初めて総本山への御登山がかない、御開扉を受けることができました。それは驚くべき儀式でした。
私は高野山内の、あらゆる法要に出仕しました。真言宗はパフォーマンスの宗教でしかなく、法要は外見がとてもきらびやかなだけでしかありません。御開扉ほど、純粋で厳粛な法要を体験したことがありませんでした。
そのあとは、六壺(むつぼ)の夕の勤行に参加いたしました。そのときのお小僧さん達の立ち居振る舞いに、「私は高野山で7年間、何をやってきたのだ」と慚愧(ざんき)の念に打ちのめされると同時に、お小僧さん達から勇気を頂いたのです。
それから数日後、御本尊様を御下付いただき、自宅での入仏式を執り行っていただきました。その直後から、今まで苦しくて五分も続けられなかった唱題が、長く真剣にできるようになりました。
入信をしてから仙台の実家の母に電話するたびに、母は私の変わりように驚いておりました。私が真言宗の僧侶だった時代に実家に置いてきた大日如来の画像を、仙台の仏眼寺に持っていって、謗法払いをしてもらうように言うと、母はすぐに仏眼寺に参詣して、在勤のご僧侶に応対していただきました。
◇謗法払いを機に母が入信
電話で母と話すと、母は御僧侶の丁寧な応対に感激し、「私、入信しようと思うの」と喜んで話しました。
12月9日、私は中島地区長と共に仙台に行き、母は無事、仏眼寺で御授戒を受けることができました。私の初めての折伏成就でした。そのころには、鬱状態、パニック障害は消滅しておりました。
私は毎日、朝詣りに法道院へ参詣し、勤行・唱題をさせていただき、平成26年4月からは、東京都内の複数のIT系専門学校の講師をしております。謗法(ほうぼう)が原因で鬱(うつ)病・パニック障害となった生活保護の五十代男性が、社会復帰できたのです。通常は、ありえないことです。
「妙とは蘇生の義なり。蘇生と申すはよみがへる義なり」(新編御書360)
と大聖人様はおっしゃっておられます。その通りであることを、私は体験できました。つまり、御本尊様の御力は疑いようがありません。
◇折伏にも力を注いで
その正しい御本尊様を御前にしての勤行・唱題を毎日続けるとともに、入信以来、毎年折伏を成就させていただいております。
去年(平成27年)の8月初旬には仕事の関係で、Kさんと知り合いました。何回かお会いしたのち、身の上話を伺いました。
糖尿病からくる白内障と、交通事故後のストレスから来る眼底出血のため、目がほとんど見えないこと、幼いころの父親からの虐待(ぎゃくたい)などの不幸な生い立ちをお聞きし、Kさんを折伏しようと決意しました。
数日後、Kさんと共に法道院へ参詣しました。受付で御僧侶が丁寧に応対してくださり、その日に勧誡(かんかい)を受けることができました。
Kさんの変わりように驚いて、法道院を訪れたいと願っていた実姉のSさんがその後参詣され、二回目の参詣となった9月の御報恩お講の日に、御僧侶と地区長から丁寧なお話を伺い、御授戒を受けることができました。Sさんはたいへん熱心な方で、毎週日曜日、お寺に参詣して私と朝の勤行の練習をし、一ヶ月ほどで一人で朝夕の勤行ができるようになりました。
そして10月のお講の日にKさんが御本尊様を御下付いただき、そのあとのKさん宅での入仏式では、御僧侶と共に読経中、Sさんは感激でずっと泣いておられました。それを見た私も胸に熱いものがこみ上げ、涙がこぼれました。また、今年の1月の支部総登山において、どうしても丑寅勤行に参加したいというSさんが、願いをかなえられました。翌朝の勤行の時、Sさんは御主管に励ましのお声をかけられて、とても喜んでおられました。
◇境界変わる大功徳
先に入信したKさんは入仏式のあと、毎日朝夕の勤行をされております。時には勤行・唱題が5時間に及ぶことがあるそうです。その結果、ほとんど見えなかった目が、少しずつ見えてきて、今では御本尊様の「妙法」のお文字が見えるとのことです。
「法華経を信ずる人は冬のごとし、冬は必ず春となる」(新編御書832)
KさんもSさんも、私も、生まれ変わったのです。
◇御報恩の折伏と育成を誓う
私は27歳から謗法(ほうぼう)を犯し続け、真言宗末寺のたくさんの住職まで育て上げました。その結果、人生のどん底に落ちました。しかし日蓮正宗信徒となり、懺悔(ざんげ)し、生まれ変わることができたのです。
本門戒壇(かいだん)の大御本尊様、御法主上人猊下への御報恩と、御主管への感謝のために、さらなる折伏と育成を必ず果たしてまいります。
平成33年の御命題に向かって、講中の皆様と地道に、街頭折伏、訪問折伏、育成に精進させていただきます。
かつて真言宗僧侶として懸命に修行した私には、友人に他宗派の住職や僧侶達がたくさんおります。彼らは、自分達の宗派の開祖を信じていないのです。そして、謗法の罪障に苦しんでいます。そのような友人達を、一人でも多く改宗させてまいります。さらに広宣流布の同志として育成させていただきます。
(大白法 平成28年4月1日号より転載)
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