学会員さんを再折伏できた喜び                       

         妙通寺支部 H.M

 


 私の入信のきっかけは、主人の母と、Aさんによる折伏でした。当時、Aさんは母の隣の家に住んでおり、家族ぐるみのお付き合いをしていた方です。
 私は主人と二十歳前に一緒になりましたので、貧しかったため、当時は「みかん箱」で作った仏壇に、御本尊様を御安置し、家族の幸せを願ってお題目を唱えていました。
 あれから57年。今では仕事も引退し、年金生活を送っております。年々、体も動きにくくなって参りましたが、何とか毎日、元気に過ごさせていただいております。
 主人は大きな病気から、何度も御本尊様に護って頂き、命を救って頂きました。
 その都度、私たち夫婦の心には「御恩返しの折伏」という言葉が浮かびます。しかし、たいした教学もありませんし、「折伏なんて絶対にムリ!」と端(はな)から決めつけ、なかなか実行することができませんでした。

 

 そんな時、私を折伏してくれたAさんが体調を崩されていることを知りました。Aさんは、活動はしていませんでしたが、創価学会員のままでした。「ニセ本尊」には取り替えていなかったので、私からは何度か、

「一緒に妙通寺へ行って、御住職様の話を聞いてみよう」

とお誘いしてきましたが、良い返事はもらえず、だんだんと避けられるようになっていきました。
 それから何年か過ぎ、昨年(平成29年)末、いよいよAさんの具合が良くないと耳にしました。私は
 「今、私たちがこうして御本尊様に護られながら生活していけるのは、Aさんが折伏してくださったお陰なんだ」
 「恩返しをするには、今しかない」
 「Aさんを救えるのは、私たちしか、いないんだ」
との気持ちがこみ上げてきました。何とかしたいとの思いで、強く唱題を続けました。

 

 主人は現在、肺気腫で、酸素吸入器をつけながら生活しております。ちょっとでも動くと息苦しくなり、そんな状態の主人とAさんの家に伺うことも困難でした。
 「どうしたものか?」
と悩んで唱題していると、なんと、Aさんのご長男が、我が家まで来てくださったのです。
 「入院したので、元気なうちに、会って欲しい」
とのことでした。私はすぐに病院に駆けつけました。
 その日、Aさんは顔色もよく、よく笑い、昔話に花が咲き、とても元気でした。まず、一日も早く一般病棟に移れるようにと、私は御本尊様にご祈念しました。そんななか、Aさんの御長男が、

「一度、妙通寺に行って、話を聞いてもよい」

と約束してくれたのです。さっそく御住職様に電話をいれ、翌週の日曜日に妙通寺に伺う段取りが整いました。
 しかし、それから3日後、Aさんは眠るように息を引き取ってしまったのです。朝方亡くなり、御家族もバタバタしていたのでしょう。私たちに連絡が入ったのは、その日の夕方遅くでした。
 「大変だ! 間に合わなかった!」
 「葬儀はどうするの?」

と咄嗟に御長男に聞きました。すると
 「妙通寺に行く約束はしたが、その約束を前に母が亡くなったということは、やっぱり、日蓮正宗には縁がなかったんだと思う。だからといって、創価学会や、邪宗で葬式を出すのは嫌だから、無宗教で送る」
というのです。
 「場所は、どこでやるの?」
と聞くと、不思議にも、家族が希望した訳でもないのに、妙通寺の目と鼻の先にある葬儀式場で、ということでした。

 

 私は

「このままでは、諦めきれない!」

と思い、祈るような気持ちで、妙通寺に電話しました。すると午後9時過ぎでしたが、御住職様みずから式場まで一緒に行ってくださり、御長男にお話をしてくださりました。
 主人も必死でした。酸素吸入器をつけ、ゼーゼー苦しい呼吸をしながら、まさに命がけで「勧誡」を勧めていました。
 私は御長男に、

「確かに、お寺に行く約束をしたのに間に合わなかった。でもね、頼んでもいないのに、お母さんの御遺体が、妙通寺の目の前に運ばれてきたということも、御本尊様との深い縁ではないかしら」
と必死にお話をしました。

 

 しかも、これも御本尊様のお計らいだと思うのですが、亡くなった日の晩は通夜を行なわず、翌日が通夜、翌々日が出棺となったため、ひと晩、じっくり時間が出来たのです。御住職様のお話をよく聞き、御長男は、「兄弟で少し相談してみる」と約束してくれました。そして翌朝、御長男は式場から歩いて妙通寺を訪問し、

「日蓮正宗で葬儀をお願いしたい」

と願い出てくれたのです。
 本来、勧誡式が先でなければ日蓮正宗での葬儀は出来ないはずですが、御住職様のお計らいで、葬儀を先に行なうことができました。
 Aさんの勧誡は叶いませんでしたが、子供さんたちが皆そろって、Aさんの初七日忌の時に、妙通寺の御本尊様の前で勧誡を受けることできました。Aさん一家がふたたび、正しい御本尊様とのご縁を結ぶことができたこと、亡くなったAさんも、喜んくれていることと思います。

 

 ちなみに、私たちの娘は岡崎に嫁(とつ)いでおり、現在、仏土寺様でお世話になっております。娘もAさんのお通夜に駆けつけ、日蓮正宗で行なって頂けたことを、涙を流しながら喜んでおりました。そして私たちが、Aさん家族を再折伏させていただいた、その直後に、娘も長年の夢であった、お姑さんの折伏を成就することができたのです。御本尊様の信心の喜びは、こうして、大きな力となり、広がっていくんだなと、つくづく感激しました。
 長い間、信心をしておりますが、これまでは決してまじめな信徒ではありませんでした。こんな私たち夫婦が折伏出来たのも、細井御住職様の、温かく、優しいお人柄を通して、日蓮正宗の本当のお姿を見せて下さったからだと思います。本当にありがとうございました。
 これからも、縁ある方々を折伏して精進してまいりますので宜しくお願いします。

 

 

 

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