日蓮正宗 妙通寺(妙通寺・日蓮正宗でも検索可)
名古屋市中村区烏森町3丁目24番地 地下鉄東山線「岩塚駅」下車徒歩10分
勤行(ごんぎょう)の意義と方法について、簡単に説明します。
まず始めに、勤行の意義についてです。
勤行は、日蓮正宗の信心を行なっていく上での基本であり、もっとも大切な修行です。
勤行とは、南無妙法蓮華経の御本尊に向かって、法華経の「方便品(ほうべんぽん)」と「寿量品(じゅりょうほん)」を読み、「南無妙法蓮華経」の題目を唱えることをいいます。
勤行は毎日、朝と夕方に行ないます。勤行をたゆまず実践することにより、私たちは、御本尊より無量の利益(りやく)をいただいて、一日一日を有意義に過ごしていくことができるのです。
■勤行の心構え
勤行は、御本尊、日蓮大聖人等の三宝(さんぼう)に報恩感謝するとともに、私たち自身の大願の成就、恩のある先祖への追善供養を行なう大切な儀式ですから、敬虔な気持ちで臨みましょう。
朝は、その日一日を有意義に過ごし、生活のうえに妙法の功徳を顕わしていけるよう祈りながら、さわやかな一日のスタートとなるよう五座(五回)、法華経を読みます。夕方は、日蓮大聖人という仏によって一日を護っていただいた恩徳に感謝しつつ三座(三回)、法華経を読みます。
勤行は、川の水が絶え間なく流れるように、毎日欠かさず、正しく実践していくことが重要です。特に、勤行を永続していくためには、できるだけ時間を決めて行なう(朝は6時から、夕は午後9時前には行なう、など)ようにし、勤行を生活習慣のなかに、うまく取り込んでいくことがコツです。
御本尊に向かうときは、背筋をのばして姿勢を正し、胸の前で合掌(がっしょう)して、御本尊の御文字をしっかりと見ます。御本尊は、どの部分を拝しても構いませんが、できれば、中央に認(したた)められた「妙」の文字を、しっかりと拝するようにすると良いでしょう。読経の最中は、間違えないように「勤行要典(経本)」を見て、経文を読むようにします。
入信したばかりで、お経など読んだことの無い方には、「毎日朝夕、読経を行なうなど、私にはできません」と尻込みする人もいるかもしれません。これまでの人生で、読経の習慣など持たなかった方にとって、「できるかどうか」不安になるのも当然でしょう。しかし、皆さんの周りで上手に勤行している法華講の先輩方も、最初は初心者だったのです。みな、少しづつ、たゆまず練習して、上手にできるようになったのです。勤行は慣れてくれば、むしろ、「やらない方が、なんだか気持ち悪い」「勤行をして、すっきりした」と思えるようになるはずです。
あきらめないで練習すれば、あなたも数ヶ月後には、ひとりで、当たり前のように勤行ができるようになっているはずです。
勤行には、独特の言い回しがあります。それは言葉で説明することは不可能です。できれば、菩提寺で行なわれる勤行に率先して参加するようにしましょう。そうすれば、もっと早く、しかも上手に勤行ができるようになるでしょう。
日蓮大聖人は
「叶ひ叶はぬは御信心により候べし。全く日蓮がとが(失)にあらず」(御書1519)
と教えられています。
私たちは、末法でたったひとつの正法である日蓮大聖人の仏法にめぐり会うことができました。しかし、「出会った」だけでは、何の意味もありません。日蓮大聖人の仏法を実践してこそ、法華経・南無妙法蓮華経の功徳により、遠い過去世から背負ってきた罪障を今世で完全に断ち切って、幸せな境界を築いていくことができるのです。
そのためには、まず、なによりも、日々の勤行を着実に行なうことが大前提となります
次に五座(ござ)・三座(さんざ)の勤行の意味について説明します。
「五座・三座」というのは、「朝は5回、夕方は3回、法華経を読む」という意味です。勤行が上手にできるようになるまでは、とくに朝の勤行は1時間ほど時間がかかる場合もあるでしょう。しかし、慣れてくれば、朝の勤行は30分~35分、夕方の勤行は25分もあれば行なえるようになります。
(初座 第一部)
初座(しょざ)の勤行は、南無妙法蓮華経の教えを信ずる人を護(まも)る諸天善神に対して法華経を読み、御本尊の功徳を善神に供えて、法華守護の力が倍増するよう祈(いの)る儀式です。
(二座 第二部)
二座(にざ)では、総本山大石寺に安置されている本門戒壇(かいだん)の大御本尊(日蓮大聖人が顕わされた究極の御本尊)に対して、その威力(いりょく)を賛嘆(さんたん)しつつ、報恩感謝する儀式です。
(三座 第三部)
三座(さんざ)では、末法の本仏である日蓮大聖人に報恩感謝します。現代に生きる全ての人は、末法の仏である日蓮大聖人の教えを信ずることによって、誰もが平等に成仏していくことができるのです。その大いなる威徳(いとく)に対して深く感謝するための読経を行なうのです。さらに、日蓮大聖人滅後、大聖人の唯一の後継者であり、南無妙法蓮華経の正法を正しく伝持された第二祖日興(にっこう)上人、さらには第三祖日目(にちもく)上人以下、現代にいたるまで本門戒壇の大御本尊と日蓮大聖人の仏法を正しく護り伝えられている総本山御歴代上人に報恩感謝申し上げる儀式が、三座の勤行です。
(四座 第四部)
四座(よざ)は、私たちの大願の成就を祈る儀式です。祈る願いは、ふたつに分けられています。
まず初めは、「広宣流布(こうせんるふ)」の成就(じょうじゅ)を祈ります。「広宣流布」とは、日蓮大聖人の仏法が、あまねく世界中に流布し、人々の心を潤(うるお)して、世界平和を実現していくことをいいます。
私たちが今、家族の幸せや自身の願いを祈り、まじめに働いていったとしても、日本という国や世界中が戦争に巻き込まれたり、地球規模で飢餓(きが)、疫病(えきびょう)の流行が繰り返されれば、真の幸せな人生を叶えていくことは困難となります。ですから、私たちは、自身や家族の幸せを願うならば、まず、日蓮大聖人の仏法を基とした平和社会の実現を、御本尊に祈るのです。
続いて、自身や家族、一族の謗法(ほうぼう)罪障(ざいしょう)の消滅を祈ります。
私たちが抱える様々な問題や苦しみは、私たち自身の行為による結果です。あるいは、一族や先祖の人々が、遠い過去世に行なってきた善悪の振る舞いの結果が、今の私たちの生活や人生に、大きな影響を与えているともいえます。よって、眼前に立ちはだかる様々な問題を解決し、願いを叶えてくためには、まずその過去世から背負っている罪障を消滅していく必要があり、その消滅をここで御本尊にお願いするのです。
続いて、より具体的な願いの成就を、御本尊に向かって祈っていきます。
しかし、ここで大切なことは、自身の願いを祈るにしても、その内容についても気をつける必要があります。特に、次のような祈りは、仏教を信ずる者として慎むべきでしょう。
一、他人の失敗や不幸を祈ること
二、闇雲に「金儲け」「地位や名声を得ること」だけを祈ること
三、「楽をして、遊んでくらしていきたい」と祈ること
このような願いは、かえって自身の罪障や煩悩を増大させることもあり、逆効果です。
では具体的に、どのように祈ればよいのでしょうか。たとえば仕事の成功を祈るにしても、
「今の仕事に成功し、世の中の役にたてる人材として成長していくことができますように」
と祈る。あるいは、受験の合格祈願をするにしても、
「希望どおりに進学し、学業の成果を必ずあげて、世界中の困窮者を救っていくことができますように」
と、自他ともに幸せになっていける、そんな祈りを行なっていくことが、仏法を信ずる者として必要とされる姿勢といえます。
(五座 第五部)
五座(ござ)では、私たちの先祖や、縁のある死者の精霊に対して、南無妙法蓮華経の功徳を追善回向を行ないます。
そして勤行の最後に「乃至法界平等利益自他倶安同帰寂光」と祈念します。これは、「今、私が行なった勤行の功徳を、私や私の家族に限らず、世界中の生きとし生ける物に平等に分け与えていただきたい」と御本尊に祈って、勤行は終了です。
以上の五座について、朝の勤行では、すべてを行ないます。
一日の終わりの感謝の勤行である夕方の勤行では、二座と三座、五座の三回、読経を行ないます(初座と四座は行ないません)。ですから、朝の方が夕方の勤行よりも15分ほど、長くかかるというわけです。
なお、平成30年9月、大日蓮出版より、「勤行 その仕方と観念文の意義」が新しく発刊されました。(下記写真)
大変わかりやすく、初信者のみならず、ベテランの法華講員の方にとっても勉強になる書籍です。ぜひとも一家に一冊、お備えください。一冊150円です。
問い合わせ先は 大日蓮出版 電話 0544-59-0530